次の要件を充たす場合に、通常の裁判手続を経ずに、債務者に対して強制執行できる手続です(民訴382条)。
「通常の裁判手続を経ずに」簡単な手続で強制執行ができることがメリットです。
しかし、債務者から督促異議が申し立てると、通常の裁判に移行することになりますので、支払督促を利用するどうかは事案に応じて慎重な検討が必要です。
まず、裁判所から書類が届いたら、放置せず必ず中身を確認しましょう!
「裁判所なんて関係が無い」
「身に覚えがない」
「昔に借りた借金の督促だろう。時効だから払わなくて良い」
と、放置するのは危険です。
「自分は受け取っていない、奥さん(または従業員)が受け取った」などの言い訳は通用しません。
送達された書類が「支払督促」であれば、そのまま放置するといつの間にか強制執行されるおそれがあります。
支払督促を受け取ってから2週間以内に、「督促異議の申立」を行います。
督促異議の申立をすると、通常の裁判に移行します。
解決方法は事案によって異なります。
支払督促を受け取ったら、すぐに弁護士又は司法書士に相談されることをお勧めします。
なお、最近、「○○裁判所」と称して、架空の請求書を送り付けられる事例もあるようです。支払督促かどうかに関わらず、ご不安な場合はすぐにご相談ください。
債務者が1度目の支払督促を受け取ってから2週間以内に、督促異議の申立をしない場合は、今度は仮執行宣言付で支払督促(説明上、「2度目の支払督促」とします。)が届きます。
2度目の支払督促を受け取ってから2週間以内に、督促異議の申立をしない場合には、その支払督促は確定判決と同一の効力(※)を有します(民訴396条)。
その結果、債権者は、支払督促に基づいて、強制執行することができます。
債権回収会社(サービサー)が、昔の借金を買い取るなどして、債務者または連帯保証人に対して、請求してくる場合があります。